自転車でふらふらと徘徊することにした。
だけど何の目的もなくふらふらするのは性に合わないし、なにがしかの理由を見つけなければ帰りに輿が重くなるのは予想がつく。
ではお昼時だし飯食いに行こう。
そんなコジツケで始まったイート・ポイント探しの旅。 つまりは弁当を食べる場所を探すだけの旅。
んで、さい先よろしくスタートしたものの、ある住宅街に入ったところで迷子になり出鼻をくじかれた。
いつもの事だけど極度の方向音痴。
道すがら団子屋、毛むくじゃらの公園などで油を売つつ、工事現場でサボるおっさんを眺めたりして時間は過ぎていく。
そんな中、ジョギングする老父婦。子連れの新婚さん。若いアベック。犬と老人。
分かりやすい至福が流れはじめて来た気がした。自分も例外ではない。
無事住宅街を抜け「野川」にぶつかる、やはり庶民の憩いの場がそこにあった。
川を挟んだ向こう岸は成城である。ようやく現在地を把握出来た時には小田急線/喜多見駅まで来ていた。
この次点で午後4時、空腹も峠を越えていたがここで食わずして何とする。
そのままベンチで遅い昼食をとりつつ、お供が居ないので目の前のカルガモ親子にご飯粒を与えるもあっさり無視。
空しさが否応なく込み上る。
結局、拠って来たハトを無視することにより「カルガモ親子→自分→ハト」と云うヒエラルキーを勝手に作り上げた。
そういえば以前友人がハトに春雨を与えた時、クッククックとつつき回し跳ね飛ばした挙げ句、自分の頭に春雨が乗っかってしまった。
その後ハトは礼も云わず、頭に春雨を乗せたまま飛び去ってしまったのである。
無礼である。
よってハトはそのまま放置プレイ下に置く事にした。