今日の共演陣は皆ソロである。しかも、各共演者の生演奏を聴くのは初めて。
と言ったわけで、この日のアクトが決まって以来ずっと楽しみにしていたのです。
会場にはシバキエ・レクトロニクスで世界を股に掛ける GUILTY CONNECTOR こと Kohei The Fast氏 の姿も。
変圧器の故障で押した為、19:30開場
■20:00~20:30/原田 健太郎(aka.Ausmerzen)
程良い緊張感の中でのオープニングアクト。
今回は Roland SH-101(2台) にエレクトロニクスをかますセッティング。左手のSH-101でリアルタイムの打ち込み~垂れ流し~つまみ操作を行い、右手のSH-101では主旋的な即興フレーズを弾きながら構成を紡いでいく方向性で3曲ほど演奏。
■20:40~21:10/KK.Null
続いて登場するは御代 KK.Null 氏。
自作コンタクトマイクにカオスパッド2台を通しミキサーに流し込む通称【NullSonic(ヌルソニック)】。そのシンプルな外見からは大淀検討も付かない音魂が放射され続ける。時が経つに連れ、全ての思考が分断されていく感覚。コズミック・ノイズとは言い得て妙で、すばらしい演奏でした。マオリツッオ・フォン・オズワルドやボーターリックスなどベーシックチャンネル系譜のトラックにライブ・エレクトロニクスを掛け合わせたら、こんな音になるかな、ともも一瞬思ったがやはり全然違う。さすが、貫禄のある演奏でした。
■21:20~22:00/HERMIT
続いて登場したのはスイスから来日したHERMITことエリック・ボロス(Eric Boros)氏。
この人、ヒゲが30cmはあろうか。ものすごい長さ。フォンプラグを抜き刺ししたり、ON.OFFをカチカチする接触音が中心でさほどノイズ色は強くない。そして、なんの脈絡もなく観衆に眼を留め10秒ほど静止し、また演奏に戻ると云う機敏な立ち回り(?)で衆のハートを鷲掴みでした。最後に英語で『なにかあるか!?』『次は何が来るか!?』的な言葉を並べるも会場の反応はナシ。そのまま『ナッシング!』と吐き捨て演奏終了。パントマイム・ミーツ・エレクトロニクスとも云えそうな繊細かつ豪快な演奏でした。
■22:10~23:00/NOEXIT
最後に同じく来日したNOEXITことヨセフ・フルシャンテ氏。
ソプラノ・サックスからノンブレスで放出されるシーケンスフレーズはフリーと云うよりは、コンテンポ寄りの演奏。とても気持ちがいい。そう、この人はフリージャズ畑らしく、当日どんなアプローチをしてくるのかと個人的にとっても興味が沸いていたのだ。続いて、竹に弦を張った自作楽器演奏はヴァイオリンやコントラバスよりも「粉っぽく、且つ湿った音」と云えばいいのかな。そんな音で、ドローンを基調としながらも微妙に展開を忍び込ませて味わい深いものだった。